「オレンジワイン」と聞くと、オレンジやみかんなどを漬け込んで作ったフルーツワインのようなものをイメージする方が多いと思います。実は、まったくの別物です。
この記事では、今や赤・白・ロゼに続く第4のカテゴリーとして認知され、世界中で大流行しているオレンジワインについてご紹介します。
世界中で大流行!オレンジワインとは?
オレンジワインとは、白ブドウを材料に、赤ワインと同じ製法で造られたワインのことを指しています。白ブドウを果皮ごと醸造することによって、果皮の香りや色が抽出され、鮮やかなオレンジがかった液色となるのが特長です。オレンジで造ったフルーツワインではありません。
抽出される色にちなんで「オレンジワイン」と呼ばれています。もともとオレンジワインの伝統的な産地であるジョージア(グルジア)などでは「アンバーワイン(琥珀ワイン)」とも呼ばれています。
オレンジワインの大流行の理由
ブームとなった最大の理由は、「ナチュラル」。
一般的に、白ワインは「自然の酸化防止剤」ともいわれるタンニンを持たないため、赤ワインに比べると亜硫酸(酸化防止剤)が多めに必要となります。実際にEUの規定では、白ワインは赤ワインより若干多い亜硫酸を含むことが認められています。
しかし、オレンジワインは赤ワインと同じようにタンニンが入っているため、亜硫酸の添加を少なくしたワイン造りができるのです。
ナチュラルワインの生産者は、白ワインをオレンジワインとして造ることで、ワインへの添加物を少なくすることができました。そうして添加物の少ない最新のワインとしてナチュラルワインブームに乗り、世間に認知されてきた経緯があります。
オレンジワインのぶどう品種は?
オレンジワインはどんな白ブドウでも造ることができますが、よく使われるブドウ品種は芳香性が高いアロマティック品種など以下のものです。
●ヴィオニエ
●リースリング
●ヴィオニエ
●ゲヴェルツトラミネール
●ルカツティリ
●ピノ・グリ
アロマティックな品種が使用される理由は、果皮ごと発酵させることで香り成分が多く含まれるオレンジワインの特性を最大限に引き出すためです。
どんな味がする?
オレンジワインは、白ワインと赤ワイン両方の魅力を楽しめます。
オレンジの皮の部分のような、ちょっと苦味をともなった柑橘のニュアンスもあります。また、白桃やアプリコットなど甘くて濃厚な果実味がありながら、赤ワインの果皮由来の渋味とコクもしっかりと感じられます。他の白ワインや赤ワインとは異なる表情を見せてくれるワインです。
相性のいい料理
オレンジワインは、赤ワインのような果実感はありませんが、タンニンがあるので、相性のいい料理も少し異なります。おすすめとしては、カレーなどのスパイスの効いたインド、ネパール料理やトウガラシを使った韓国料理など、「赤ワイン、白ワイン」と合わせるのが難しい料理がおすすめされています。
オレンジワインは白ワインほど冷やさないのがポイント。
赤ワインと同じつくり方をしていて、タンニンも入っているからです。室温だとちょっと高すぎるので、15℃くらいが目安ですかね?
また、タンニンが酸化から守ってくれるのでオレンジワインは日持ちします。
おすすめのオレンジワイン5選
プレナリウス・ヴィオニエ 【参考価格4300円】
ロバート・パーカー氏が「這いつくばってでもこのワインを探す価値がある。伝説的なワインになるだろう。」とまで評したとのこと。ビオディナミ農法で造られたヴィオニエを野生酵母で発酵し、亜硫酸無添加で瓶詰めした自然派オレンジワイン。
バロッサで初となるオレンジワインとしても知られています。ヴィオニエらしいたっぷりとした果実味と柔らかいテクスチャーが印象的な、ニュアンスに富んだ味わいです。
ヴィノテッラ・ルカツィテリ / シュフマン・ワインズ 【参考価格2200円】
8000年以上の長い歴史を持つワイン発祥の国、ジョージア。
シュフマン・ワインズは、ジョージアの個性的なブドウ品種で、伝統的なクヴェヴリ醸造のオレンジワインから、クリーンなヨーロピアンスタイルのワインまで、幅広い味わいのワインを生み出しているワイナリーです。こちらはジョージアの代表的な土着品種であるルカツィテリを伝統的なクヴェヴリ醸造で仕立てる1本。深みのある味わいに仕上がっています。
マカシヴィリ・ワイン・セラー ムツヴァネ【参考価格3300円】
8000年以上の長い歴史を持つワイン発祥の国、ジョージア。
シュフマン・ワインズは、ジョージアの個性的なブドウ品種で、伝統的なクヴェヴリ醸造のオレンジワインから、クリーンなヨーロピアンスタイルのワインまで、幅広い味わいのワインを生み出しているワイナリーです。こちらはジョージアの代表的な土着品種であるルカツィテリを伝統的なクヴェヴリ醸造で仕立てる1本。深みのある味わいに仕上がっています。
アルザス ワイン ノート オランジュ オレンジワイン【参考価格3800円】
ワイン造りのセンスが素晴らしく、ギィド・アシェットをはじめ、ゴーミヨ誌、ベタンヌ、デキャンタ、クラスマン等、世界を代表するワイン専門誌で掲載!大注目される究極造り手「名人ジェラール・メッツ」。
アルザスを代表する生産者のひとりです。
エプフィグ村の0.3hの区画「スピッツヘック」は粘土砂質土壌。
収穫からビン詰めに至るまで、SO2は不使用の貴重な人気辛口オレンジワイン「ワイン・ノート・オランジュ」。
ビアンコ・ディ・アンペレイア【参考価格4300円】
トスカーナの理想の土地でワイン造りを自然派生産者。綺麗な酸と旨みの詰まった豊かな風味。中盤から果実の甘みが広がる心地良いオレンジワイン。トレッビアーノ、マルヴァジア、アンソニカの3つのブドウをブレンドして造られています。
果皮が厚いトレッビアーノ由来の豊かなエキス分と酸、マルヴァジア由来の華やかな芳香、そしてアンソニカ由来の旨味が見事に絡み合った1本です。
まとめ
- オレンジワインは、世界中で大人気の「ナチュラルワイン」
- オレンジワインの魅力は、独特の製法による鮮やかな色とふくよかな果実味、そして赤ワインのようなコクとさまざまな表情を楽しめること
- ブドウの実を破砕して果皮や種ごと発酵させるため、他にはない奥深い香りと味わいが生まれます。
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