フランチャコルタ(Franciacorta)は、北イタリア・ロンバルディア州東部のフランチャコルタ地域内で造られる最高峰のスパークリングワインです。「イタリアの奇跡」と呼ばれれていますが、残念ながら、日本ではまだまだ名前すら知られていません。このフランチャコルタは、ミラノから車で約1時間に位置する地域で、風光明媚な避暑地として栄えてきたリゾート地としても知られています。
この記事では、小さな生産地にてシャンパーニュを上回る厳しい基準でつくられ、世界中の多くのセレブリティを虜にしている「フランチャコルタ」についてご紹介します。
フランチャコルタは、イタリアのスパークリングワインで最上位の格付けである統制保証原産地呼称(D.O.C.G: Denominazione Origine Controllata e Garantita)の認定です。
イタリアの奇跡!スパークリングワイン【フランチャコルタ】の特徴
世界中で数多くの発泡性ワインが造られているなかで、イタリア屈指のプレミアム・スパークリングワインであり、抜きん出て高い評価を受けているのがフランチャコルタです。
高級スパークリングワインの代名詞シャンパーニュは、寒冷地が生み出す美しい酸とミネラルに由来するエレガンスが特徴ですが、フランチャコルタは豊かな土壌と温暖な気候に育まれた香り高さや豊潤さが魅力。完熟したぶどうを収穫しているので、ぶどうそのものの深くしっかりとした味わいが感じられます。
「フランチャコルタ(Franciacorta)」地域には、現在約120軒の作り手(カンティーナ/ワイナリー)があります。シャンパーニュの作り手は約5,000軒ですので、規模が小さいことが分かります。ヨーロッパ全体において、そのワインの名前だけで原産地、製造方法、ワイン名を特定できるワインは、10箇所の原産地呼称だけです。
その中でも瓶内2次発酵方式で造られるのは、現在カヴァ、シャンパーニュ、フランチャコルタのみです。
シャンパーニュを上回る厳しい基準
フランチャコルタの醸造方法は、シャンパーニュ同様、最も伝統的で手間のかかる瓶内ニ次発酵方式を採用しています。一次発酵が終わった白ワインを瓶詰めし、糖分と酵母を加えて瓶内で再発酵する手法です。
法定熟成期間が長い
シャンパーニュの15ヶ月に対し、フランチャコルタは、通常、最低18ヶ月は二次発酵後の瓶内で熟成する必要があります。
さらに上級のカテゴリーであるロゼ、サテンは24ヶ月、収穫年入りのミッレジマートは30ヶ月、リゼルヴァは60ヶ月とタイプによって厳しく定められています。このような厳しい規定を科すことで高い品質を保持し、“奇跡”とうたわれるほどの産地へと成長したのがこの「フランチャコルタ」です。
小さな生産地
山々と湖に囲まれたこの土地に広がるブドウ畑の栽培面積は3,000haほどで、シャンパーニュ地方の34,000haと比較すると1/10以下。そしてその約70%が有機栽培、もしくは移行中の畑となっています。それは畑の面積が限られている小さな産地だからこそ、生産者たちが一丸となって品質向上に努めている証でもあるのです。
フランチャコルタの種類
種類 | 熟成期間 | ぶどうの種類 | ボトルの内圧 |
---|---|---|---|
フランチャコルタ | 18ヵ月 | シャルドネ、ピノ・ネロと50%を上限にピノ・ビアンコ | 5~6気圧 |
フランチャコルタ・サテン | 24ヵ月 | 白ブドウのみ | 5気圧以下 |
フランチャコルタ・ロゼ | 24ヵ月 | シャルドネ(最大65%)、ピノ・ビアンコ(50%を上限とする)、ピノ・ネーロ(最低35%)エルバマット(最大10%) | 5~6気圧 |
フランチャコルタ・ミレッジマート | 最低30ヶ月 | – | 5~6気圧 |
フランチャコルタ・リゼルヴァ | 最低60ヶ月 | – | 5~6気圧 |
フランチャコルタで使用するぶどう
フランチャコルタ(Franciacorta)で使用するぶどうは、4種類のみです。
収穫後→低空気圧法圧搾機を使用し、空気圧を利用した機械でゆっくり果汁を搾ります。ちなみに、フランチャコルタに使用するブドウ果汁は、1番搾りの物に限られます(シャンパーニュは、2番搾りまで使用)。
1. シャルドネ
優れた質感、豊潤で香り高く複雑なアロマ、フルーティーでフローラルな香りが特徴の国際的な品種。
2.ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)
しっかりとしたボディーを与えてくれ、エレガント、しっかりとした酸味が鮮やかな特徴。
3.ピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)
主にフランチャコルタのロゼ、ブランドノワール、ミッレジマート、リセルヴァに使われ、寿命の長いワイン
4.エルバマット
フランチャコルタ地域の土着品種。晩熟なので収穫が約1か月遅くなります。しっかりした酸味があるが特徴。
日本初の専門バー【フランチャコルタ バー(FRANCIACORTA BAR)】
2019年3月~阪急メンズ東京3Fにオープン。
カウンターでは、セレクトされた複数のワイナリーの「フランチャコルタ」が楽しめる。常時10種類以上のフランチャコルタのラインアップがあります。時期によって種類も入れ替わるので、次に訪れたときの楽しみもあります。
また、おつまみやフードもあり、生ハム、サラミ、グリッシーニ、ナッツ類などフランチャコルタに合うメニューを提供。そのほか、フランチャコルタソルベをのせたベリームースなどもあります。
●店名: フランチャコルタ バー
●住所: 東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京 3F
●営業時間: 11:00~20:00 (アルコールL.O18:30 ソフトドリンクL.O19:30)
※政府からの要請によりお酒の提供は19:00まで。
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